アクセサリーピンの種類と選び方をわかりやすく徹底解説

ピンは「形を保持する芯材」であり、強度・重量・見た目の三要素を同時にコントロールするための要パーツです。選ぶ際は①用途(固定 or 連結)、②線径(0.4–0.8mm目安)、③長さ(20–60mmが汎用)、④素材(真鍮/ステンレス/チタン/14KGFなど)、⑤仕上げ(色味・装飾頭)を基準に。作品のクオリティは穴径と線径の適合、ループの閉じ、負荷が掛かる向きへの配慮で大きく変わります。
目次
アクセサリー作り・装飾に使うピンの種類と特徴
Tピンはどんなピン?
Tピンは、片側がアルファベットの「T」の形になっているピンです。ビーズや天然石を一粒だけ固定したいときに便利で、特にピアスやチャームなどのパーツ作りに使います。使い方はシンプルで、ビーズなどをTピンに通した後、余った部分を丸く加工してパーツとして使用します。T字部分がストッパーになり、パーツの下から抜け落ちない工夫がされているのが特徴です。アクセサリー作り初心者の方は、まずこのTピンから練習することをおすすめします。
用途:ビーズや天然石の下抜け防止。一粒下がり、ドロップ、チャームの末端処理に最適。
仕様の目安
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線径:0.5–0.7mm(初心者は0.6mmが扱いやすい)
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長さ:20/30/40/50mmを常備。**ビーズ直径+ループ分(約6–8mm)**が最低必要。
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頭の形:フラット/玉(ボールヘッド)/デザインキャップ付き。穴が大きいビーズは座金やシードビーズを噛ませて抜け防止。
作業手順(基本)
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Tピンにビーズを通す → 先端から6–8mm残して90°折り
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丸ヤットコで手前に巻き込みループ成形 → 口を完全に閉じる
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丸カン方向と同一平面に調整(捻じれは外れの原因)
素材選び
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アレルギー配慮:チタン/316L/14KGFが安心。
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色持ち:14KGF > ステンレス > 真鍮コート > 通常メッキ。
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重さ:耳は片側3–5g以内が快適の目安。大ぶりはコットンパール等で軽量化を。
失敗回避:ループの口が1mmでも空くと脱落。必ず閉じ切り、負荷方向を溶接部(線端)と逆に。
9ピンの特徴と用途
9ピンは、片端が数字の「9」のような形で輪になっているピンです。複数のパーツをつなぐ役割を果たし、ピアスやネックレス、ブレスレットなどの連結部分によく使われます。使い方は、ビーズやパーツを9ピンに通し、もう一方の端も輪にして他のチェーンやパーツと組み合わせます。両端が輪なので接続しやすいですが、輪の切れ目が広がったり、ゆがんだりしないよう注意して作業します。
用途:パーツ同士をチェーン状に連結。ネックレスのビーズ連や、揺れるピアスの中継に最適。
仕様の目安
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線径:0.5–0.7mm(0.6mmがバランス良)
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長さ:30–50mm(連結数に応じて)
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片端に既製ループ。もう片端も同径のループを作ると見栄えが揃う。
作業コツ
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ループは左右ひねりで開閉(開く/閉じる=ドアの動き)。前後に広げると変形・金属疲労で折損。
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重量物や落下NG箇所は、9ピンではなく**ワイヤーラップ(巻き留め)**に切り替えると強度が段違い。
比較:
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9ピン=早い・見栄え良/強度は中。
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ワイヤーラップ=手間・見た目やや武骨/強度高・外れにくい。
デザインピンで個性をプラス
デザインピンは、Tピンの先端に小さな丸玉や装飾が付いていて、華やかさを演出できます。普段のTピンでは出せない個性的なデザインや、ビーズの色味と合わせたコーディネートを楽しめます。イヤリングやネックレスの飾り部分にアクセントを加えたいときにぴったりです。
特徴:先端にボール・フラワー・カット等の装飾が付いたTピン系。座金代わりになり、意匠面での“抜け感”を演出。
使いどころ:
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シンプルな一粒下がりを見せ場にしたい時
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ビーズの穴が大きくフラットヘッドだと抜ける時
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メタル×天然石の異素材コントラストを足したい時
選び方:装飾径はビーズ穴径+0.5〜1mm上を目安に。色味はチェーン・金具と統一(ゴールド=YG/14KGF, シルバー=SV/ステンなど)。
安全ピン(セーフティピン)の便利さ
安全ピンは、日常の留め具として馴染みがありますが、装飾パーツとしても優れています。アクセサリー作りでは、チャームを付けてブローチにしたり、カバンのワンポイントとして使ったりできます。サイズ展開も豊富で、SサイズからLサイズまで揃い、素材もシルバーやゴールドメッキなど高級感のあるものがあります。パンクや個性的なファッションのアクセントとしても人気があります。
用途:ブローチベース/バッグチャーム/ストールピン。**そのまま“見せる金具”**として活用。
サイズ:20–70mm(S〜L)。薄手生地は小型、厚手のコートやストールは大型+太軸。
実用コツ
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生地ダメージを避けるため、刺し位置を地の目に沿わせる/重いチャームは中心寄りに配置。
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カン付き安全ピンを選ぶとチャーム装着が楽。布地の裏に当て布(フェルト)で負担分散も◎。
注意:乳幼児の誤使用防止・衣類の穴あき。繊細生地(シルク・オーガンジー)はブローチピンやマグネットピンへ代替検討。
次の章は「ヘアアクセサリーとしてのピンの種類」です。
ヘアアクセサリーとしてのピンの種類
アメピン(ボブピン)
アメピンは、ヘアアレンジをする際によく使われる代表的なピンです。両側が閉じていて、髪の毛をしっかり固定できます。アメピンには「玉付き」と「玉なし」があります。玉付きはピンの先端に小さな丸いパーツが付いているため、頭皮に当たっても痛くなりにくいのが特長です。波付きタイプはピンの片側にギザギザが施されており、髪をがっちりと留めたい場合におすすめです。一方、波のないストレートタイプは仕上げの固定や目立たせたくない部分に使用されます。
用途:ブローチベース/バッグチャーム/ストールピン。**そのまま“見せる金具”**として活用。
サイズ:20–70mm(S〜L)。薄手生地は小型、厚手のコートやストールは大型+太軸。
実用コツ
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生地ダメージを避けるため、刺し位置を地の目に沿わせる/重いチャームは中心寄りに配置。
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カン付き安全ピンを選ぶとチャーム装着が楽。布地の裏に当て布(フェルト)で負担分散も◎。
注意:乳幼児の誤使用防止・衣類の穴あき。繊細生地(シルク・オーガンジー)はブローチピンやマグネットピンへ代替検討。
スモールピン・ジャンボピン
スモールピンは、アメピンよりも短めのサイズで、細かい部分のアレンジや前髪などの細い部分に適しています。平均して約40mmほどの長さが一般的です。ジャンボピンは逆に長く、約70mm前後が多く、髪の量が多い人やまとめ髪をしっかり留めたいときに使います。それぞれのヘアスタイルに合わせてサイズを選ぶと、よりきれいにアレンジできます。
スモール:35–40mm。細部(前髪・こめかみ)向け。
ジャンボ:68–75mm。髪量多め・まとめ髪の芯づくりに。
コツ:差す前にスプレーorワックスで面を整え、毛流れと逆向きに差し戻すと保持力アップ。
パッチンピン(スリーピン・パッチン留め)
パッチンピンは、その名のとおり「パチッ」と押してとめることができるピンです。小さい子供から大人まで、幅広い年代に人気があります。パッチンピンにはシンプルなもののほか、布が貼られていたり、キャラクターやお花などのデザイン付きのものもあります。手軽に使えるため、忙しい朝のヘアセットにもぴったりです。
サイズ:40–80mm。カバー布・合皮・ビーズ刺繍など表面加工で印象自由。
実用:子ども〜大人まで。生え際の産毛を挟み過ぎないよう、地肌側に緩衝材(フェルト)を貼ると痛み軽減。
ハンドメイドのポイント:布貼りは端処理(ヒートカット)+薄手接着芯でヨレ防止。
飾りピン
飾りピンは、ピンそのものにパールやストーン、リボンなどの装飾がついているピンを指します。ヘアアレンジのアクセントとして使うことで、華やかな印象になります。結婚式やパーティーなど、特別な日のためのヘアアレンジにも重宝します。日常使いには、小さめの飾りピンをさりげなく使うのがおすすめです。
定義:ピン自体にパール・ストーン・リボン等が付く装飾ピン。
使いどころ:結婚式・パーティの面の装飾、日常は小粒×数点の群れでこなれ感。
テク:重さが出る場合はX固定+表で飾り。頭のカーブに沿わせるよう、ワイヤーで微調整すると浮きにくい。
次の章に記載するタイトル:ピン選びのポイント
ピン選びのポイント
用途で選ぶ
ピンには多くの種類があり、それぞれ使い道が異なります。たとえば、アクセサリー作りでは主にTピンや9ピンがよく使われます。Tピンは、先端がT字になっているのでビーズなどが抜け落ちず、イヤリングやチャームの下にパーツをつなぐときに便利です。9ピンは先端が丸く曲がっていて、パーツ同士をつなぎやすいのが特徴です。一方、ヘアアレンジを楽しみたい方にはアメピンやパッチンピンが最適です。アメピンは細いので目立ちにくく、髪をしっかり留めるのに役立ちます。パッチンピンは着脱が簡単で、子どもにも扱いやすいピンです。
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固定(下抜け防止)=Tピン
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連結(チェーン化)=9ピン(重いならワイヤーラップ)
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見せる留め具=安全ピン/飾りピン
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ヘア土台=アメピン/スモール/ジャンボ/パッチン
サイズ・太さを考える
ピンのサイズや太さも選ぶ際の大切なポイントです。アクセサリー作りの場合、ビーズの穴の大きさやつけたいパーツによってピンの太さを調整する必要があります。また、ヘアアクセサリーの場合は留めたい髪の量や髪の細さに合わせてピンの長さや太さを選ぶことで、崩れにくくきれいな仕上がりになります。
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線径と穴径の相性が最重要:ビーズ穴径 − 0.1〜0.2mmがスムーズかつガタつかない目安。
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長さは「通す長さ+6〜8mm(ループ分)」。迷ったら40mmが汎用。
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ヘアは髪量と毛質で長さを調整(細い髪=短め/太めのピン、硬い髪=長め/波強め)。
デザイン重視で選ぶ
見せる部分には、デザイン性のあるピンや飾りが付いたピンを選ぶとアクセントになります。ゴールドやシルバーのカラー、パールやストーンの装飾がついたものは装いに華やかさをプラスできます。
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見せる箇所はデザインピンやメッキ色統一で完成度UP。
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ゴールド系はYG/14KGF/真鍮コート、シルバー系はSV/ステンで色味の統一感を。
素材にも注意
肌が敏感な方は、金属アレルギー対応のピンを選ぶことをおすすめします。一般的な金メッキやシルバーメッキ以外にも、シルバー(SV925)やK18など高級素材のピンもありますので、用途や予算に応じて選びましょう。
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敏感肌はチタン/316L/ニオブ/14KGF。
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汗・湿気の多い季節はステンレスがメンテ性◎。
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高級感と艶ならSV925(ただし硫化ケア前提)。
次の章で紹介する内容:アクセサリーピンの種類と用途
まとめ:アクセサリーピンの種類と用途
アクセサリーピンにはさまざまな種類があり、それぞれ役割や特徴が異なります。ここで、基本的なピンの種類と用途をもう一度まとめて振り返ります。
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Tピン:一粒下がり・末端固定。座金・シードで抜け防止。
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9ピン:連結と角度調整に。重い所はワイヤーラップへ。
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デザインピン:装飾頭で意匠性UP。穴径より少し大きめの頭を選ぶ。
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安全ピン:ブローチ・ストールピンに。生地ダメージ対策を忘れずに。
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アメピン:ヘアの基礎固定。波下・X固定が鉄則。
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パッチンピン:時短&見せる留め。表面加工で無限に遊べる。
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飾りピン:特別日=大粒、日常=小粒複数でバランス良。
結論:作品の出来は線径×長さ×素材の三点設計と、ループの閉じ/重心設計で決まる。
Tピン
Tピンは一方がT字型になっているため、ビーズやパーツが抜けにくく、固定用によく使います。初心者でも扱いやすく、ピアスやネックレス作りの基本アイテムです。
9ピン
9ピンは一方が輪になっており、パーツ同士を繋げてチェーンのように連結できます。アクセサリーチェーンやイヤリングのパーツ連結などに大変便利です。
デザインピン
デザインピンはTピンと同じ用途ですが、先端にパールやストーンがついているものなどもあり、装飾性が高いのが特徴です。ワンポイントのデザインを加えたいときに使います。
安全ピン
安全ピンは、アクセサリーを留めるだけでなく、ブローチやワンポイント飾りのベースとしても活用できます。サイズや素材も豊富なので、日常使いからおしゃれアイテムまで幅広く使われます。
アメピン(ヘアピン)
髪を固定するための基本的なピンで、先端に玉がついていたり、波型になっていたりとバリエーションがあります。まとめ髪から普段のヘアアレンジまで対応します。
パッチンピン
パッチンピンは髪を挟み込んでパチッと留めるピンです。子どもから大人まで使え、デザインが多様なのでファッションアクセントにもなります。
飾りピン
飾りピンはパールやストーン、モチーフがついており、装飾用として使います。帽子やバッグにつけてアクセントにすることもできます。
それぞれのピンには用途や特徴があり、作りたいアクセサリーやヘアスタイルに合わせて適切なピンを選ぶことが大切です。
次の章では、関連情報やトレンドについてご紹介します。
関連情報・トレンド
アクセサリーやヘアアレンジで使うピンは、近年デザインや素材がますます多様化しています。たとえば、シンプルな金属製だけでなく、カラフルなプラスチックや天然素材、さらに布やレザー風の装飾が加わったものなど、選択肢が増えています。これにより、普段使いはもちろん、パーティーや特別な日のファッションアイテムとしてもピンが注目されています。
また、ピン以外にもヘアアクセサリーのバリエーションはとても豊富です。ゴムやシュシュ、バレッタ、ヘアクリップなどは、髪がしっかりまとまりやすく、デザインも多岐にわたります。それぞれのアイテムには使い勝手や見た目のアクセントなど異なる魅力がありますので、シーンや気分に合わせて使い分けるのもおすすめです。
最近では、複数のピンを組み合わせて個性的に仕上げるヘアアレンジも流行しています。同系色でまとめたり、逆にあえて異なる色や素材をミックスしてコーディネートのポイントにする方法も人気です。小さなピンを複数使うことで、大人っぽくも華やかにも仕上げることができます。
アクセサリー作りの面では、手作りピンをオンラインショップで販売したり、ワークショップで自分だけのデザインを楽しむ人も増えています。初心者でも手軽に始められるキットも多く、ピンを使ったオリジナルアクセサリー作りは幅広い世代に支持されています。
このように、ピンは今や機能性だけでなく、デザインや使い方の自由度も非常に高くなっています。日々のコーディネートやプレゼントにもぴったりなアイテムとして、今後も様々なトレンドが登場することが期待されます。